No.42【ポジティブな錯覚でネガティブを解消できる!?】

 

お世話になります!
山本です。

 

ポジティブ思考って大切ですよね。
前向きに物事を捉えられれば、パフォーマンスも上がるし幸福度も高まるってもんです。

しかし色々なポジティブ思考メソッドが世の中にはあって、どれが科学的に効くのかしっかり見極めたいところです。

 

ということで今回は「ネガティブな人がポジティブな錯覚をすることでメンタルが改善するかも」っていう話しがあるのでご紹介

 

 

これはモスクワ大学の実験で、120人の男女を対象にしております。
どういう実験かというと

参加者に「不安をかきたてる嫌な記憶を思い出してください」と指示する(仕事をクビになった体験とか、人前でスピーチしたときとか)


その後4グループに分け、下記にそれぞれ取り組んでもらったんですって
 

①カウンセリング:研究チームとディスカッションして、嫌な記憶をやわらげる
②自然音:いひたすら心地よい自然の音を聞く
③催眠+自然音:参加者を催眠にかけつつ、自然の音を聞く
④催眠+記憶の書き換え:「嫌な記憶」を「良い記憶」に作り変える

 

「催眠で記憶を書き換える!」というとインチキっぽく聞こえますが、やってることは認知行動療法でも使われるイメージ系の誘導とあまり変わらないです。


たとえば、「スピーチに失敗した人」の場合

研究者:目を閉じてイメージしてください。いまあなたはどんな場所にいますか?

参加者:いっぱい人がいて友だちと両親がいます

研究者:それからどうなりました?

参加者:立ち上ってみんなの前でスピーチを始めました

研究者:その時に、あなたが取りたい最高の行動はなんですか?

参加者:冷静にあたりを見回して、ハッキリとスピーチします


みたいなかんじ
このような誘導で、良い記憶へどんどん変えていくってことです。

これは催眠療法士ミルトン・エリクソン氏が開発した誘導テクニックによるもので、いわゆる「現代催眠」というやつですね。

 

さて、実験ではそこから参加者の不安度をチェックして、4カ月後にもフォローアップを行なっております。


その結果
「催眠+記憶の書き換え」グループのみ不安が減り、自尊心もアップした!
 残りのグループは特に不安度は変わらないままだった!


ということでありました。

 

私の十八番芸の一つである催眠術が、このように論文ベースで使われていることにいささか驚いてますが
 

今回のことから、ネガティブに物事を捉えてたとしても、ポジティブな錯覚を起こすことが出来ればいくらでもポジティブになれる可能性があるわけですね。

人の記憶はより多く鮮明に引き出したイメージを優先して記憶するので、理にもかなってる気がします。


過去の嫌な経験を思い出してしまう人はやってみるといいかもしれません。