No.170【思い込みは人を殺せるか?心理学的に考察してみる。その2】

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お世話になります!
山本です。

この話は
No.169【思い込みは人を殺せるか?心理学的に考察してみる。その1】
https://www.yamakazu.work/entry/2020/03/22/171553

の続きとなっております。

 


前回は死刑囚に「血が致死量を超えるくらい出てるから、そろそろ死ぬぞ!」
と医師が言ったら実際には血を流してないのに本当に死んでしまったというなにやら都市伝説めいた話をしました。


ほんまかいな!と思ってしまいそうな話ですが
実は近年でも思い込みにより健康状態を作用する事例は多数あるものでして
それらを紹介しつつ、より深く考察していこうと思います。

 

まずは
2005年にクリフトン・メドア博士が科学誌に発表した論文に報告されていた事例から

内容としては
患者Aが末期の肝臓がんと診断され、余命数カ月と宣告されたというもの。
告知した後みるみる体力を失い、告知された余命すらまっとうすることなく亡くなってしまったそうな。


ですがここからが驚きポイントで
実は医師の診断が間違っていたことがわかったのです。

患者はがんなどにはかかっていませんでした。

”彼は「自分はがんで死ぬ」と信じたせいで死んでしまった”らしいんですね。


続いて、
1996年にレベッカ・フェルカーが発表した研究によるもの。

女性の方を対象にした調査で
「自分は心臓病にかかりやすい」と信じている女性の死亡率は、
そう信じていない女性の死亡率に比べて4倍にのぼったということです。

心臓病に掛かりやすいと思い込むことで実際に死ぬ確率が上がるとはなんと皮肉なことか。

 

今回のお話はweb上でも東洋経済さんのサイトでも見ることが出来ます。
また、本講義は、オックスフォード大学のエレーヌ・フォックス教授が行ったものであり
脳科学は人格を変えるのか?”等大変なベストセラー作をお持ちの私山本も大変信頼のおける先生のお話であることが分かります。
https://toyokeizai.net/articles/-/77748

 

他にも数多の研究が”思い込み”という観点に対して行われています。

これらのマイナスの思い込みによってマイナスの作用が起きることをノーシーボ効果と言われており
医師はこれらの前提を持って患者にマイナスの要素を不必要に与えないよう細心の注意を払ってます。

 

ということで、前回と以上のこと等の科学的見解を鑑みるに”思い込み”による影響力は我々が思うよりも大きいものであると考えることができますね。
よく自己啓発とかでいう”思考は現実化する!”だとか”ネガティブ脳脱却!”等の言葉はそういう前提を持ってみると納得できるものがありましょう。
思い込みは人を殺すのか?という問いに対してはややYESが上向きかなと

今社会的に某ウイルスさんのせいでマイナスなニュースやマイナスな情報ばかりが耳に届いておられる方も多いと思いますが
マイナスな情報ばかり考えているとこのノーシーボ効果の顛末になりかねんので
マイナスな情報ばかりではなく、プラスの情報も見て判断したいところですよね。

 

ですが、思考は現実化するにしても、ネガティブ脳脱却にしても、思い込みで人を殺すにしても
じゃあ、今から「思い込みで死ぬ!」って皆さんが思い込んだとしても

たぶん死ぬ人はいないと思います。(笑)

ということは”どうやって?”の部分が抜け落ちており、具体的に思い込みの力を借りる、あるいはリスクを遠ざけるための正しいアプローチの仕方が大切なわけです。

 

なので次はそもそも思い込みとは?だったり、思い込みをするための前提だったりの話でもしようかなと思います。

ちなみにはじめてのシリーズもののお話ですが、当然のように次には別の話が更新されたりされなかったりと私のインスピレーションと気分によって変わってきますんで
この話の続きが気になる方は気長にゆるくお待ちください。

ではそんなかんじで。

No.169【思い込みは人を殺せるか?心理学的に考察してみる。その1】

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お世話になります!
山本です。


催眠や暗示の講義やパフォーマンスをしている傍ら、
「催眠術で人は殺せるんですか?」
と問われることがよくあります。
なかなか恐ろしい問ですよね(笑)


確かに当ブログでも度々触れているみたいに、「思い込みの力によってダイエットできる!」だったり「思いこみで頭が良くなる!」「思い込みで睡眠の質が変わる!」的な話を展開してたり
私の手によって催眠術等を体験した方達は思い込みの力で自分の体のコントロールが効かなくなる経験をされてるので、なんとなくイメージしてみると浮世話ではないんじゃね?と思うことでしょう。

 

尚、仮に暗示を巧みに使った催眠がが可能だとしたら
デス〇ートみたいに「新世界の神になる!」とかいって世界を支配したり
ヒトラーポルポトが行うような虐殺や独裁も罪に問われず難なく出来てしまう
理屈になってしまいます。怖いですねー


じゃあ、実際問題暗示で人は殺せるのか?アニメのように人々の思想観念を支配してしまうことは可能なのか?


今日はそんな疑問についてさまざまな事例やデータからの考察をし
暗示が持つ威力について、催眠術師の観点から見ていこうかなと思います。

 

 

まず、暗示の力によって人が死ぬという事例において有名な話がありますのでご紹介します。


それは1883年、オランダにてブアメードという国事犯を使って一つの実験が行なわれたというお話。


研究者らは一人の人間からどれだけ血液をとったら人間は死ぬのか?という疑問に

死刑囚だったブアメード氏に「人体からどれだけの血液を抜いたら人は死亡するのか?定説では3分の1になったら死ぬと言われているが、それを証明する実験をしたいので協力して欲しい」と持ちかけ実験が始まります。


まず医師団はブアメードをベッドに寝かせ、目隠しをして血液を抜き取るため足の指先を小さく切開します。
足元には血液を貯める容器を置き、ぽたぽたと容器に血液が滴る音が部屋にいる全員に聞こえている状況が出来上がりました。

 

その後、1時間おきに出血量が告げられます。併せてブアメード氏が聞こえるように「3分の1程度の血液を失うことで死ぬ」「体重の8%でブアメードは命を落とす計算になる」


そして5時間たったときに研究者が「総出血量が体重の3割を越えた、致死量ラインを超えたぞ」と告げます。
するとそれを告げた途端にブアメードは息絶えてしまいました。

 

”足の指先を切開したように鉄の板で切るように見せかけ、切ったであろう部位にただの水を滴らせていただけなのに”
です。

 

以上の話は【ブアメードの水滴実験】と呼ばれる話でスタンフォード監獄実験やミルグラムの電撃実験と並んで怖い心理実験のまとめによく名前を連ねる有名なお話です。

 

病は気からという言葉があるように、このブアメード氏の場合は
血液が抜かれる⇒血液がなくなると出血多量で死ぬ⇒出血量が致死量を超えたら自分は死んでしまう

という思い込みによって死んでしまったということでしょうかね。
とても背筋がゾクッとなる話ですよね。


ただしかし、この話をうのみにはしない方がいいです。
この話自体の出展は不明で、この話を解説している本やまとめ記事を見てみると年代や実験の過程などが異なる伝わり方をしています。
以上のことから都市伝説として語られているとも言われてるんだとか。

 


ですが、催眠術師的に見たときにただ都市伝説で片づけるにはいささかもったいない事例であるとも感じます。
過去に述べてきたように思い込みによって脳やホルモンバランスを始め変化を及ぼす人の特性は疑いようのないものがあるからです。

 

火のないところに煙は立たないともいいますし、
ということで次回は

ブアメード水滴実験に似たような話でなんと2005年に行われた思考実験等
他の事例も参考にしつつ、深く追求していくとします。

No.167【やる気が起きないのは、”学習性無力感”という状態なのかもしれませんよ?】


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ご無沙汰しております
そしてあけましておめでとうございます!


久しぶりの投稿ですね。
ブログの更新のリクエストをいただいていた方、
お待たせしましたm(__)m


溜めに溜めた分、ちょっとここ数日は面白い情報を沢山投下する予定
ぜひともお楽しみにしててくださいな。

 

さて、本題なのですけれども

”やる気”
起きないときありますよね

あるいは
自分の所属するチーム全体に「何をやってもムダ」という雰囲気が蔓延していると感じたことはありませんか?

こういった場合は、”学習性無力感”という状態に陥っている可能性があります。

 

今日はそんな”学習性無力感”についてのお話

どうやら「やる気が出ない」の根本的な背景は
人だけでなく犬やネズミ、虫に至るまで共通している部分があるということらしいです。


「やる気でないなあ」
「なんでやる気出してくれないんだろう。。。」


といった悩みの本質を”学習性無力感”を通じて知れると思いますのでご紹介


◆学習性無力感とは?◆

まず、”学習性無力感”とはなんぞや?というと


出典: フリー百科事典『ウィキペディアWikipedia)』
学習性無力感(がくしゅうせいむりょくかん、英: Learned helplessness[1])とは、長期にわたってストレスの回避困難な環境に置かれた人や動物は、
その状況から逃れようとする努力すら行わなくなるという現象である。


という風にwikiには書いてますね。


分かりやすいのが、ブラック企業なんてのはいい例でしょう


給料も少なく、過重労働、長時間の残業、上司からの怒号といった数々のストレスが
存在しますけどなぜか、愚痴を漏らしながらも働いている従業員が数多く存在する。
転職に対しても、出来たら良いとはいうものの行動自体は後ろ向きだったり

不思議ですよね?


他にも
・本当は絵を描くのが好きだったこどもがお叱りママゴンに塾や勉強を強要されて、絵を書いたりといったクリエイティブな感性を失う
・スポーツチームで敗退が続きチームがなあなあムードで練習に力を入れなくなる
・自分の好奇心とはそぐわない本やテキストを読むことを強要されて本を読むのが苦手になる

といったこと等
多くのことで該当することと思います。


要するに
慢性的なストレスが生まれてしまう環境は人から「現状を変えよう!」「好きなことしたい!」「自分は可能性に満ちている!」
といった本来の好奇心や前向きな感情を押し殺してしまうのです。
学習性無力感、恐ろしくないです?


◆学習性無力感についての主な研究◆

そんな
学習性無力感については有名な実験がありまして、1967年にマーティン・セリグマンとマイヤーが犬に対して条件付けを用いて行った研究によって提唱されました。
セリグマンといやあポジティブ心理学において相当有名な方なので知っている人も多いかと思います


どういう実験があったかといいますと
犬に対して電撃回避学習を課したという結構えぐい実験をしまして

以下の2つのグループに犬を分けて実験します。
①1匹にはスイッチを押すと電流が止まる仕掛けを施した環境
②もう1匹は何をしても電流が止まらない環境
をそれぞれ設定

この結果、仕掛けがある方の犬はスイッチを押すと電流が止まるということを学習して
スイッチを積極的に押すようになった一方、仕掛けのない犬は最終的に何の抵抗もしないようになってしまったと。

それだけでなく、2匹の犬をしきりを飛び越えるだけで電流から逃れられる部屋に移したところ、
前者の犬は早々にしきりを飛び越えたのに対して、後者の犬は何の行動も起こさなかったんだそうで。


犬がちょっとかわいそうですが
生物的に慢性的なストレスが行動を起こしても消えないとなると行動をあきらめてしまうのですね。。。


尚以後の実験にてサカナ、ネズミ、ネコ、サル、ヒトでも、適応的な反応を起こさなくすることが、実験にて観察されたと報告されてます。
さらに、その学習性無力感の症状が、うつ病の症状に類似しているとも言われています。


うわーって感じですよね。
端から見たら「えー!なんでそんなストレスになりそうなことしてんの!?」
ってなっても本人は生物的に抗う行動を起こさなくなっているわけですから

 

◆なんで学習性無力感ておきるの?◆

そんな怖い学習性無力感という状態に何故生物は陥ってしまうのでしょうか?
それは、望んだ結果と関連のないストレスかあるいはあまりにも到達までの道のりが不明瞭で遠すぎると
「現状の状態のほうがなんだかんだ安全かもしれないぞ!」と生物としての生存機能が誤作動を起こすからであると考えられます。


人間を含めた生物全般に言えることですが、慢性的なストレスと急激な変化があったときに
自身の安全を保つ最適手として、慢性的なストレスを選びます。


急激に変化を起こして、ごはんが食べられなくなったり新たな危機が増えるかもしれなかったりすると怖い
って我々の体は反応しちゃうみたいです。
それを生物としての機能の一つ、恒常性維持機能【ホメオスタシス】といいます。


俗にいう「茹でカエル理論」もそういった機能のせいといえますね。(知らない方はしらべてみてね)

 

◆あなたのやる気のなさや周りの人のやる気のなさは学習性無力感によるものかもしれんぞ◆

このことから言えるのは
「私ってよくやる気が感じられないと怒られるの、、、仕事むいてないのかな、、、」
「人とのコミュニケーションが苦手、、、たぶん遺伝によってきまっているんだ、、、」
「勉強が苦手、、、才能ないんだ、、、」

といった普遍的な悩みは
あなただけが持つ特質ではなく

”生物としての機能がたまたまある経験によって、誤作動を起こしているから”

として、人間に限らず生物だったらだれしもが持つ特性であると言えましょう。

 

なので、自分の無力さや才能のなさに対して嘆くことはないんじゃないでしょうか?と言えます。

もしかしたらこれを見ている人でやる気に対して悩んでいる人がいたならば
周りの環境、過去の経験、生物的や心理的な性質のベクトルにズレが生じているだけかもしれません。


もし仮に
やる気が出てないときは
「あー、なんかやる気出てないなー。生物的な要素が邪魔してるかもー」


とか

やる気が出てないパートナーがいたときには
「この人はもしかしたら心理的な抵抗の生まれることだったのかな。別の提案をしてみよう!」


みたいに中立ないし前向きな解釈をしてあげて次につなげるようにしてみてください。

No.166【やる気を高めるのに"ご褒美"は効果的なの??の科学】

 

お世話になります!
山本です。


皆さんは仮に自分のお子さんがいたときに、

( ゚Д゚)「勉強なんてしたくない!」

って駄々を捏ねたらいかがします?


まぁ、色々あると思いますが
(*´-`)「もし勉強頑張ったらゲーム買ってあげるよ✨」

といった"ご褒美"を用意するというのが、考えていただいた方の中でも割りと多かったんじゃないかなと思います。

 

と、こ、ろ、がですね

どうやら心理実験においては"ご褒美とやる気"の相関について疑問符を浮かべてるようです。


え?マジかよ!となりそうなそんな心理実験をご紹介


これは心理学者のマーク・レッパー博士、ディビット・グリーン博士らが行った実験によるもの
保育園に通う園児たちにマジックで紙に絵を書いてもらうという実験を行いました。

その際にグループを下記のように分けまして
①園児たちを事前にシールとリボンのついた賞状を上げると約束したグループ
②事前になにも言わずに絵を描き終わったところで賞状を渡すグループ
③そして、描き終わっても何も渡さないグループ


それで絵を書き終わったらそれぞれの症状に名前を書き入れて掲示板に貼りだしておきます。
ここまで下準備をしたあとに


その後
、教室にマジックと紙を置いておき、自由に絵が描ける状態にしておくんですがここで明らかな差が表れはじめたんですね。


1週間ほど観察したときに
①園児たちを事前にシールとリボンのついた賞状を上げると約束したグループのグループは
他のグループの園児たちに比べて絵を描く時間が少なくなった!
尚、ほかの2グループには大きな差はなかったとのこと。


まあ、なにがわかったかというと
報酬の有無ではなく「事前に報酬が約束されていたか?」が園児のやる気に通じていて
事前に報酬があると伝えることは、好奇心や興味といった自発的なっやる気を損なってしまうのでは?ということですね

要するに
②と③のグループは自分たちの「絵を描きたい」という興味や関心を満たされたという内的報酬を得ていて
①は「外的報酬があるからやる!」という外部の報酬に目がいってしまったと


その後のレッパー博士らが行った調査によって
「具体的な報酬は内発的動機づけに対して、実質的にネガティブな影響をもたらす傾向にある」という結論に至っているそうです。

 

まあ子供にやる気を出させるために「勉強したらお小遣いね!」と報酬を用意するのは
短期的にはよいかもしれません

そこに込められた意味付けや、勉強というものがどうその人のためになるものなのかといったことを伝え
内発的な動機を満たすことをしてあげないと長期的に見たら
「報酬がもらえるからやる!もらえないならやらない!」と手のかかる子になりそうですね。


やる気を引き出すうえでは、外部要因や目先の報酬ではなく
そのものに取り組むことの意義や取り組んだ後の充実感にちゃんと目を向けられるようにサポートしてあげるとよいかもですね。

No.165【銃がそばにあるだけで人は攻撃的になる!?】

 

お世話になります!
山本です。


サスペンスとか見てて

「なーんでこんなつまらんことで、殺人とかしちゃうかなー」


ってことありません?


ついカッとなって、、、
みたいなやつ
コナンとかでもありますよね。

どうやら人間は銃がそばにあるだけで攻撃的になるということが分かっているようですのでご紹介。


これは心理学者レナード・バーコウィッツらが行った実験によるもの。

男子学生を2人1組にして、相手を怒らせるという条件のもとでお互いに電気ショックを与え合うという結構過激なものです。

(尚、このときの2人のうち1人は実験サイドの仕込んだサクラです。)

相手の報復反応を見るべく2つの実験を行います。

1つめは被験者に1回電気ショックした場合と7回も電気ショックをした場合

2つめは電気ショックの回数は変えないが、電気ショックの機械の前に銃を置く場合と置かない場合


で実験したんですが


2つの実験とも被験者が相手に電気ショックをする強さが大きくなった!

という結果に。
すなわち、相手から受けた攻撃の回数が多かったり
あるいは銃が見えているとき等相手にダメージを与える武器があるときに人はより攻撃的になる!

っていうことでございましょうね。


よく、サスペンスとかたまにニュースとかでも

夫婦喧嘩のもつれで、カッとなって包丁で刺してしまった

とかあるじゃないですか。


カッとなったから包丁を手に取り刺した

というのはこの場合誤りで

包丁が近くにあることでより攻撃的になり刺してしまう(近くに包丁がなければ事件はなかったかも)

ということが当実験でも言えるかと思います。


日本は銃刀法あるんで普通に生きてれば武器になるものはないでしょうが

くれぐれも険悪な雰囲気のときに包丁とかが見える場合はお気をつけください。

 

No.164【大人と子供では考え方が驚くほど違うぞ!っていう研究】

 

お世話になります!
山本です。


最近某学習塾さんの先生とかと話しますとですね。
やはり、親子の問題とかが凄く大変みたいなんですよ。


子供の行いにストレスを感じてしまう親や、ゲームをさせない!勉強勉強!!と制約が大き過ぎて家族関係が崩壊しかけてる。

なんて話もあるみたいです。


お子さんがおられる方もそうでない方も、自分は子供をちゃんと理解してあげようと思うものですよね。

どうやら心理学の世界では
【認知発達理論】という理論の元子供の認知の仕組みについて、触れられてます。


自分の子供をちゃんと理解してあげたい!って方にオススメの情報なんでご紹介。


これはスイスの心理学者ジャン・ピアジェが様々な研究を行ったものの一部です。3つの研究を抜粋します。


まず①つめ
子供に容器を2つ見せて、それぞれ同様の液体を入れます。
その後、片方の液体を口が狭いが背の高い別の容器に移して見せます。

そんで「どっちのほうがたくさん入ってるでしょうか?」と問います。


すると、
・2歳~7歳の子供のほぼ全員が背の高い容器を指した!!

とのこと。
びっくりですよね。

ピアジェはこのことから
これらの年齢の子に<保存>という概念がなく、見たものの大きさとか感覚で解釈すると導き出しました。

 

②つめ
またこれとは別の検証では、同数のキャンディをテーブルに2列ならべ

片方の列はキャンディ同士の間隔をより大きく取って並べてそれぞれ見せます。

「どちらの列のほうがキャンディが多いか?」
とまた問うのですが、
・正確に答えられるのは4歳6ヶ月以上だった!!
んだそうで

 

③つめ
最後に、子供の目の前に積み木の山を2つ並べて
右の山の頂上に十字架を、左の山の頂上には樹木を置きます。


そんで積み木を挟んで子供と向かい合わせになるように人形を座らせます。


そして人形から見た景色を聞くんですね。
普通の感覚なら左に十字架、右に樹木のはずですね。


しかし、子供たちは右に十字架、左に樹木と答えた!
んですって

つまりこちらの研究で分かるのは、
ある程度の年齢にならないと
子供は他人の視点で物事を見ることが出来ない
ってことでしょうか。

 

こうした実験を重ねてピアジェは【認知発達理論】を提唱しました。


そして子供の考え方の発達は下記の4段階に分かれると
◆第一期
「感覚運動期」(0~2歳)
→感覚と身体の活動を通し、自分が働きかけたものの結果で学習する。

◆第二期
「前操作期」(2~6.7歳)
→可逆という概念がなく、自分が見たものに固執する。

◆第三期
「具体的操作期」(7~12歳)
→見た目には惑わされなくなるが、自分の体験したものでしかイメージできない。

◆第四期
「形式的操作期」(12歳以降)
→目に見えている具体的なものだけでなく、それを超えて論理的かつ抽象的にものごとを思考できるようになる。

 

なんで、小さなこどもに「どうしてこんなこともわからないの!?」とかって怒ることって物凄く非合理的なんですよね。


年齢次第では 
子供にとっては見て聞いて触ったものが全ての世界である可能性がありますから。

余計に感情的にならずに、ちゃんと許容して具体的な道筋を作ってあげましょう。

No.163【「親父の背中はでけぇ・・・」の科学的根拠!】

 

お世話になります!
山本です。

人間の認知ってのは不思議なもので、ときにモノの大きさですら歪ませて見えることがあります。

代表的なのは
「親父の背中はでけぇ・・・」

ってやつですかね。

どうやらこの実物の大きさと変わってしまうという現象も
心理実験で証明されてるみたいですのでご紹介。


これはハーバード大学の心理学者ジェロームブルーナーらが行った実験。

10歳の子供30人を対象に下記のグループに割り振ります。

① 1セント、5セント、10セント、25セント、50セントの5種類のコインを見せる
② ①グループのコインと同じサイズの灰色のボール紙を見せる。


そんでそれぞれのグループに、自在に円形のサイズが調整可能な光源とスクリーンを使って
今見た種類と同じ大きさで光のサイズを調整してくださいと指示します。

その結果は
・②のボール紙のグループはほぼ正確に円のサイズを再現した
しかし①の硬貨を用いたグループはいずれのサイズも実際より大きな円を作成した!!
・おまけに家の経済状況が裕福でない子供ほど大きな円を作る傾向があった!!


という感じだったそうな。
まあ70年以上前の研究のため、最新のデータではないですが

ここで分かったのは「ものの価値によってものの見え方が変わる」

ということでありましょう。

先ほど述べた父親の背中もそうだし
あとは日本の硬貨の大きさについてとかもそうかもしれません。

子供のときは10円玉が50円玉や100円玉よりも大きいということを知ったときにびっくりしたことがあります。
そういう方いますかね。


これ男性の方とかで身長コンプレックスとかで悩んでる方とかだと

自分の魅力を最大限高める努力をすれば実際より大きく見せることができるかもしれませんね(笑)