No.169【思い込みは人を殺せるか?心理学的に考察してみる。その1】

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お世話になります!
山本です。


催眠や暗示の講義やパフォーマンスをしている傍ら、
「催眠術で人は殺せるんですか?」
と問われることがよくあります。
なかなか恐ろしい問ですよね(笑)


確かに当ブログでも度々触れているみたいに、「思い込みの力によってダイエットできる!」だったり「思いこみで頭が良くなる!」「思い込みで睡眠の質が変わる!」的な話を展開してたり
私の手によって催眠術等を体験した方達は思い込みの力で自分の体のコントロールが効かなくなる経験をされてるので、なんとなくイメージしてみると浮世話ではないんじゃね?と思うことでしょう。

 

尚、仮に暗示を巧みに使った催眠がが可能だとしたら
デス〇ートみたいに「新世界の神になる!」とかいって世界を支配したり
ヒトラーポルポトが行うような虐殺や独裁も罪に問われず難なく出来てしまう
理屈になってしまいます。怖いですねー


じゃあ、実際問題暗示で人は殺せるのか?アニメのように人々の思想観念を支配してしまうことは可能なのか?


今日はそんな疑問についてさまざまな事例やデータからの考察をし
暗示が持つ威力について、催眠術師の観点から見ていこうかなと思います。

 

 

まず、暗示の力によって人が死ぬという事例において有名な話がありますのでご紹介します。


それは1883年、オランダにてブアメードという国事犯を使って一つの実験が行なわれたというお話。


研究者らは一人の人間からどれだけ血液をとったら人間は死ぬのか?という疑問に

死刑囚だったブアメード氏に「人体からどれだけの血液を抜いたら人は死亡するのか?定説では3分の1になったら死ぬと言われているが、それを証明する実験をしたいので協力して欲しい」と持ちかけ実験が始まります。


まず医師団はブアメードをベッドに寝かせ、目隠しをして血液を抜き取るため足の指先を小さく切開します。
足元には血液を貯める容器を置き、ぽたぽたと容器に血液が滴る音が部屋にいる全員に聞こえている状況が出来上がりました。

 

その後、1時間おきに出血量が告げられます。併せてブアメード氏が聞こえるように「3分の1程度の血液を失うことで死ぬ」「体重の8%でブアメードは命を落とす計算になる」


そして5時間たったときに研究者が「総出血量が体重の3割を越えた、致死量ラインを超えたぞ」と告げます。
するとそれを告げた途端にブアメードは息絶えてしまいました。

 

”足の指先を切開したように鉄の板で切るように見せかけ、切ったであろう部位にただの水を滴らせていただけなのに”
です。

 

以上の話は【ブアメードの水滴実験】と呼ばれる話でスタンフォード監獄実験やミルグラムの電撃実験と並んで怖い心理実験のまとめによく名前を連ねる有名なお話です。

 

病は気からという言葉があるように、このブアメード氏の場合は
血液が抜かれる⇒血液がなくなると出血多量で死ぬ⇒出血量が致死量を超えたら自分は死んでしまう

という思い込みによって死んでしまったということでしょうかね。
とても背筋がゾクッとなる話ですよね。


ただしかし、この話をうのみにはしない方がいいです。
この話自体の出展は不明で、この話を解説している本やまとめ記事を見てみると年代や実験の過程などが異なる伝わり方をしています。
以上のことから都市伝説として語られているとも言われてるんだとか。

 


ですが、催眠術師的に見たときにただ都市伝説で片づけるにはいささかもったいない事例であるとも感じます。
過去に述べてきたように思い込みによって脳やホルモンバランスを始め変化を及ぼす人の特性は疑いようのないものがあるからです。

 

火のないところに煙は立たないともいいますし、
ということで次回は

ブアメード水滴実験に似たような話でなんと2005年に行われた思考実験等
他の事例も参考にしつつ、深く追求していくとします。