No.167【やる気が起きないのは、”学習性無力感”という状態なのかもしれませんよ?】
ご無沙汰しております
そしてあけましておめでとうございます!
久しぶりの投稿ですね。
ブログの更新のリクエストをいただいていた方、
お待たせしましたm(__)m
溜めに溜めた分、ちょっとここ数日は面白い情報を沢山投下する予定
ぜひともお楽しみにしててくださいな。
さて、本題なのですけれども
”やる気”
起きないときありますよね
あるいは
自分の所属するチーム全体に「何をやってもムダ」という雰囲気が蔓延していると感じたことはありませんか?
こういった場合は、”学習性無力感”という状態に陥っている可能性があります。
今日はそんな”学習性無力感”についてのお話
どうやら「やる気が出ない」の根本的な背景は
人だけでなく犬やネズミ、虫に至るまで共通している部分があるということらしいです。
「やる気でないなあ」
「なんでやる気出してくれないんだろう。。。」
といった悩みの本質を”学習性無力感”を通じて知れると思いますのでご紹介
◆学習性無力感とは?◆
まず、”学習性無力感”とはなんぞや?というと
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
学習性無力感(がくしゅうせいむりょくかん、英: Learned helplessness[1])とは、長期にわたってストレスの回避困難な環境に置かれた人や動物は、
その状況から逃れようとする努力すら行わなくなるという現象である。
という風にwikiには書いてますね。
分かりやすいのが、ブラック企業なんてのはいい例でしょう
給料も少なく、過重労働、長時間の残業、上司からの怒号といった数々のストレスが
存在しますけどなぜか、愚痴を漏らしながらも働いている従業員が数多く存在する。
転職に対しても、出来たら良いとはいうものの行動自体は後ろ向きだったり
不思議ですよね?
他にも
・本当は絵を描くのが好きだったこどもがお叱りママゴンに塾や勉強を強要されて、絵を書いたりといったクリエイティブな感性を失う
・スポーツチームで敗退が続きチームがなあなあムードで練習に力を入れなくなる
・自分の好奇心とはそぐわない本やテキストを読むことを強要されて本を読むのが苦手になる
といったこと等
多くのことで該当することと思います。
要するに
慢性的なストレスが生まれてしまう環境は人から「現状を変えよう!」「好きなことしたい!」「自分は可能性に満ちている!」
といった本来の好奇心や前向きな感情を押し殺してしまうのです。
学習性無力感、恐ろしくないです?
◆学習性無力感についての主な研究◆
そんな
学習性無力感については有名な実験がありまして、1967年にマーティン・セリグマンとマイヤーが犬に対して条件付けを用いて行った研究によって提唱されました。
セリグマンといやあポジティブ心理学において相当有名な方なので知っている人も多いかと思います
どういう実験があったかといいますと
犬に対して電撃回避学習を課したという結構えぐい実験をしまして
以下の2つのグループに犬を分けて実験します。
①1匹にはスイッチを押すと電流が止まる仕掛けを施した環境
②もう1匹は何をしても電流が止まらない環境
をそれぞれ設定
この結果、仕掛けがある方の犬はスイッチを押すと電流が止まるということを学習して
スイッチを積極的に押すようになった一方、仕掛けのない犬は最終的に何の抵抗もしないようになってしまったと。
それだけでなく、2匹の犬をしきりを飛び越えるだけで電流から逃れられる部屋に移したところ、
前者の犬は早々にしきりを飛び越えたのに対して、後者の犬は何の行動も起こさなかったんだそうで。
犬がちょっとかわいそうですが
生物的に慢性的なストレスが行動を起こしても消えないとなると行動をあきらめてしまうのですね。。。
尚以後の実験にてサカナ、ネズミ、ネコ、サル、ヒトでも、適応的な反応を起こさなくすることが、実験にて観察されたと報告されてます。
さらに、その学習性無力感の症状が、うつ病の症状に類似しているとも言われています。
うわーって感じですよね。
端から見たら「えー!なんでそんなストレスになりそうなことしてんの!?」
ってなっても本人は生物的に抗う行動を起こさなくなっているわけですから
◆なんで学習性無力感ておきるの?◆
そんな怖い学習性無力感という状態に何故生物は陥ってしまうのでしょうか?
それは、望んだ結果と関連のないストレスかあるいはあまりにも到達までの道のりが不明瞭で遠すぎると
「現状の状態のほうがなんだかんだ安全かもしれないぞ!」と生物としての生存機能が誤作動を起こすからであると考えられます。
人間を含めた生物全般に言えることですが、慢性的なストレスと急激な変化があったときに
自身の安全を保つ最適手として、慢性的なストレスを選びます。
急激に変化を起こして、ごはんが食べられなくなったり新たな危機が増えるかもしれなかったりすると怖い
って我々の体は反応しちゃうみたいです。
それを生物としての機能の一つ、恒常性維持機能【ホメオスタシス】といいます。
俗にいう「茹でカエル理論」もそういった機能のせいといえますね。(知らない方はしらべてみてね)
◆あなたのやる気のなさや周りの人のやる気のなさは学習性無力感によるものかもしれんぞ◆
このことから言えるのは
「私ってよくやる気が感じられないと怒られるの、、、仕事むいてないのかな、、、」
「人とのコミュニケーションが苦手、、、たぶん遺伝によってきまっているんだ、、、」
「勉強が苦手、、、才能ないんだ、、、」
といった普遍的な悩みは
あなただけが持つ特質ではなく
”生物としての機能がたまたまある経験によって、誤作動を起こしているから”
として、人間に限らず生物だったらだれしもが持つ特性であると言えましょう。
なので、自分の無力さや才能のなさに対して嘆くことはないんじゃないでしょうか?と言えます。
もしかしたらこれを見ている人でやる気に対して悩んでいる人がいたならば
周りの環境、過去の経験、生物的や心理的な性質のベクトルにズレが生じているだけかもしれません。
もし仮に
やる気が出てないときは
「あー、なんかやる気出てないなー。生物的な要素が邪魔してるかもー」
とか
やる気が出てないパートナーがいたときには
「この人はもしかしたら心理的な抵抗の生まれることだったのかな。別の提案をしてみよう!」
みたいに中立ないし前向きな解釈をしてあげて次につなげるようにしてみてください。