No.29【本当は怖い、権威による力】
お世話になります!
山本です。
今日は夏まっさかりなんでちょっとホラーテイストの効いたお話。
皆さんは権力のある人になりたいでしょうか??
権力や権威性があるとその影響力で人間関係もよくなりそうですよね。
実のところ心理学においても人は権威のある人の意見には影響されやすいということが証明されてまして。
じゃあどんだけ権威性てヤバイの?ってところでいうと凄く有名で恐ろしい実験がありましてそれを今日は紹介します。
それは1961年にスタンレー・ミルグラムというアメリカの心理学者によるもの。
『権力者から命令されれば人は残虐行為を出来るのか』
という疑問を解決する為に行った心理実験でして。
参加者を『記憶に関する実験』として広告で集め、
"教師役"と"生徒役"にグループを分け、教師が生徒に問題を出し、生徒が間違えば罰として電流を流すと言った内容でした。
グループ分けでは、必ず参加者が教師になるよう仕組まれており、
生徒役→ミルグラムが用意したサクラが演じてる
教師役→実験者の立案したであろう博士と同じ部屋に入る
みたいな配役で
生徒役のサクラは別の部屋に一人で入り、音声でのみ繋がっている状態を演出します。
さらに、教師役が生徒役に与えられる電流は最低15ボルトから、最高450ボルトまで9段階のレベル別でボタンがあり、
高いボルト数のボタンの横には「激しい衝撃」、「危険な衝撃」等の注意書きが書かれていて、参加者がどこまでボタンを押せるかを試した実験でした。怖っ。
教師役(被験者)「あ、間違えました。この人」
博士(仕掛人)「じゃあ、電撃加えて」
教師「はい」ポチッ
生徒(サクラ)「アババババ( ; ゚Д゚)」
てな感じで、間違えたら電圧をどんどん上げていってたんですな(実際は流れてないけど)
生徒役はサクラなので、少しずつわざと問題を間違えます。
教師役に電流を与えさせ、間違える度に与えるボルト数を上げていくように指示していき
実際には電流は流れていないが、ボルト数が上がる度に、不快感を声に出したり、絶叫したりと、電流に対する演技の反応も上げていきます。
300ボルト時点では生徒役は『実験を降りる』と叫び、次のレベルから無反応になり、意識不明になっているように演じます。
因みに最初に心理学者がした予測では
実際に最高の450ボルトまでボタンを押し、最後まで実験を続ける人は5%にも満たないごく少数だったそうな。
が
しかし、実際に実験をしてみると、なんと40人の教師役の内、50%以上の25人もの人が最大ボルト数のスイッチを押したと言った結果に!
もちろん全ての実験参加者は途中で実験の続行に疑問を抱いて博士に確認をしたり、中止を求めたりしましたが、博士に『続けて下さい』や『責任は我々が取ります』等の言葉をかけられ、嫌がりながらも最後までボタンを押し続けたのでした。
この実験から、どんなに非人道的なことでも"権威"という圧がかかると人はたちまち従ってしまう
ということが明らかになったということです。
ヒトラーが手を下した訳ではなくて
その配下のものたちが命ぜられるままに
400万人ものユダヤ人の命を奪っていった
っていうのも権威による圧があったからといえるんですね。
ということで、権威はおそろしいほどの効力を発揮することと
また、使い方によって良くも悪くもなるという
ことを知っていただければと思います。
良き方向に役立てたいですね。