No.101【利益より損失回避を優先する心理学的法則】

 

お世話になります!
山本です。


なにか物を買うとき
サービスを受けるとき
投資をするとき


損をしたくない!と誰しもが思うことでしょう。

どんなに商品が素晴らしくても、多くの人は大なり小なりそう思うと思います。
ときにそれが非合理的な選択であっても。


実は心理学や行動経済学の世界では"人は自分が得をする局面では危機回避的(確実性を重視)になり、損をする局面では危機追求的(バクチに出る)になる。"

という見解が得られており
プロスペクト理論
という心理法則で説明されてます。

プロスペクト理論の元となった実験と、どう付き合っていくのがよいか?

的な話をご紹介。


これは行動経済学者のダニエル・カーネマンとエイモス・トヴェルスキーが行った実験が有名でして。


カーネマン達は被験者にそれぞれ以下の2つの質問をするんですね。

Q1.以下の2つの選択肢が提示されたらどっちを選びますか?

①100万円が無条件で手に入る。
②コインを投げ、表が出たら200万円が手に入るが、裏が出たら何も手に入らない。

 

Q2.あなたは200万円の負債を抱えています。そのとき、同様に以下の二つの選択肢が提示されたらどっちを選びますか?。

①無条件で負債が100万円減額され、負債総額が100万円となる。
②コインを投げ、表が出たら支払いが全額免除されるが、裏が出たら負債総額は変わらない。

 

以上のような感じの質問をするんですけど
Q1とQ2について皆さんならどっちを選びますか?

 

さてさて、これで結果はといいますと

Q1.
どちらの選択肢も手に入る金額の期待値は100万円と同額であるにもかかわらず
堅実性の高い①を選ぶ人の方が傾向として多く見られた!

Q2.
両者の期待値は-100万円と同額であるが、
Q2においては②を選ぶ人が多くなる傾向が見られ、Q1で①を選んだ人であっても例外なく②を選んだ!!


て感じになったそうな 


以上のような実験や調査を様々な条件下で行って『プロスペクト理論』という心理法則を見いだしたと。


このこと価値の大きさは必ずしも期待値や価格という数字に比例しないというのが説明できるんですね。

いやー、人の心理は面白いなーと思います。


このプロスペクト理論を知っておくと結構便利で

まず、投資等においては
株やFX等で多大な損失を出している人は、Q2と同様の心理に刈られてるというのがわかります。

損切りが出来ない!というのはこのプロスペクト理論で説明が出来ますね。

損失してるときこそ、冷静に合理的な計算をするようにしましょう。

 

また、ビジネスにおいては

顧客は買い物で損をしたくないわけですから
毅然とした態度や服装で商談に臨むのは当然のこと

収支を明確にしたり
得られるものを具体的にしたり
先にデメリットを明示する等して

買った後に損をしない買い物であると知ってもらうことが大切ですな。

 

人の心理は必ずしも合理的ではないので、プロスペクト理論の知識を元に適切な判断や提案をしていきましょう。